小豆はよく和菓子などに使われますが、この度、帯広畜産大学を中心とする研究グループが発表した論文で、小豆から抽出したエキスで脂質代謝の向上が確認され、抗肥満薬としての可能性が示されました。
当研究はラットを対象としたインビボ研究と、培養されたヒト脂肪細胞を用いたインビトロ研究において、ポリフェノール豊富な小豆エキスが脂質代謝、トリグリセリド蓄積、炎症性サイトカイン分泌に及ぼす影響を評価する目的で行われました。
ラットを対象とした研究は、4つのグループ(それぞれ対照飼料、対照飼料+1%の小豆エキス、高脂肪食、高脂肪食+1%小豆エキスが与えられた)に分けて行われ、1%の小豆エキスを摂取したグループはいずれも脂質代謝の改善が見られました。さらに、1%の小豆エキスを加えた高脂肪食を摂取したグループは、肝臓脂質の集積量及び排泄物の脂質分泌量が飛躍的に減ったことが判りました。また、ヒト脂肪細胞を用いた研究では、細胞生存を脅かすことなく、トリグリセリド蓄積、グリセロールリン酸脱水素酵素の活性、及び炎症反応が著しく減少しました。
肥満及び関連疾患の予防及び改善に、小豆エキスは重要な栄養補助食になる可能性がありますが、小豆に含まれているさまざまなポリフェノール画分が生物学的機能に及ぼす影響等を調べ、人を対象とした研究が引き続き必要であると締めくくられています。
この研究を報告する論文は、Journal of the Science of Food and Agricultureで発表されています。
⇒Original Article(英語)
Anti-obesity role of adzuki bean extract containing polyphenols: in vivo and in vitro effects
Tomoko Kitano-Okada, Ayano Ito, Ai Koide, et al.
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