<コクラン・レビュー>乳幼児のアレルギー予防にプレバイオティクス(オリゴ糖)摂取は有効か?

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オリゴ糖など、腸内細菌のバランス回復に役立つプレバイオティクスと呼ばれる食品成分を積極的に摂取する健康法が、近年注目されています。このプレバイオティクスを調製粉乳に加えることが乳幼児のアレルギー予防につながるかどうかを調査したシステマティック・レビューが、この度The Cochrane Libraryに掲載されました。それによると、乳幼児の皮膚炎や喘息に対しては、予防効果があるとの可能性を示す一定のエビデンスが認められましたが、アレルギー全体への予防効果を判断するには現在提供されているエビデンスでは不十分で、さらに質の高い調査が必要であるとしています。

Prebiotics in infants for prevention of allergy
David A Osborn, John KH Sinn
*Abstract(抄録)は無料公開。全文を読むにはアクセス権が必要です

プレスリリース原文
Prebiotics: Do supplements in baby formula help prevent allergies?

食品やアレルゲンに対するアレルギー反応には、腸内細菌の構成が重要な役割を果たしていると言われています。そのため乳幼児の腸内で正常な細菌の成長を促し、食品に感作されるのを避けるため、調製粉乳にプレバイオティクスの添加が試みられています。プレバイオティクスはオリゴ糖類や食物繊維などに含まれる、消化器管上部で消化・分解されない食品成分で、腸内の「善玉菌」の成長や活動に刺激を与える効果があると考えられています。しかし、乳幼児のアレルギー予防に有効かどうかは、今のところ明らかになっていません。

今回のシステマティック・レビューで過去の調査データを分析した結果、2歳までの乳幼児がプレバイオティクスをサプリメントとして摂取した場合、皮膚炎予防に効果がある可能性が示唆されました。しかし、アレルギー患者を家族に持つ高リスクの乳幼児に対する調査では、アレルギー全体の有意な減少は見られませんでした。このため、プレバイオティクスの利用をアレルギーリスクの高い乳幼児だけに限定すべきか、あるいはリスクの低い乳幼児にも効果があるのか、喘息など皮膚炎以外のアレルギーにも効果があるのかはまだ判っていません。レビューの著者らは、アレルギー予防策としてプレオバイオティクスの日常的な使用を推奨するには、さらに質の高い調査が必要と述べています。

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カテゴリー: 免疫学, 小児科学, 栄養学   タグ:   この投稿のパーマリンク

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