Geriatrics & Gerontology International (日本老年医学会の公式英文誌)から「高齢者2型糖尿病を対象とした前向き大規模臨床介入研究 J-EDIT」をテーマとした特集号が出版され、現在無料公開されています。糖尿病性合併症による高齢者の身体的・機能的障害はQOL(生活の質)を低下させ、また公的負担が増えてしまいます。その状況の中、高齢者に焦点を当てた糖尿病治療の戦略を研究することは非常に重要になり、J-EDITが行われることとなりました。この特集号は6年間に及んだJ-EDITの成果をまとめ、下記のような有用な結果が発表されています:
① 高齢者糖尿病においては、高血糖は脳祖中のリスクとなるが、細小血管症のリスクとはならない
② 高齢者糖尿病においては血糖(HbA1c)と脳卒中発症にはU字型の関係がある
③ 高齢者糖尿病のBSコントロールには食事の量より質の是正が重要
④ 高齢者糖尿病においてはLDL-Cは冠動脈疾患の、Non-HDL-Cは脳卒中のリスク
⑤ 高齢者糖尿病においては身体活動量の低下は脳卒中のリスク
⑥ 高齢者糖尿病においては、過食より身体活動の低下がメタボリックシンドロームのリスク
⑦ 高齢者糖尿病においては、中性脂肪高値、HDL-C低値、腎症は認知機能低下のリスク
⑧ 高齢者糖尿病においてはメタボリックシンドロームはADL低下のリスク
⑨ アトルバスタチン投与は動脈硬化性疾患予防に有用 等
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