今週に入って日本各地で猛暑が続いていますが、ヨーロッパやアメリカも異常な熱波に襲われており、健康に及ぼす影響を軽減するための方法に注目が集まっています。また、熱波は人が大集団となった時も問題で、明日から開始されるオリンピックでも熱波対策が取り入れられています。
暑さを軽減する方法として扇風機の利用がありますが、状況によっては扇風機を使うことでむしろ体に害を及ぼす場合もあることから、その効果に懐疑的な専門家もいます。気温が35℃未満で扇風機の風が直接人に当たらない場合は暑さ軽減に役立つ可能性はありますが、35℃以上の場合はかえって暑さを高めてしまうリスクがあるとのことです。Cochrane Reviewのレビューアーの一人であるDr. Saurabh Guptaは、“扇風機利用に際してその潜在的な有益性と有害性を知る必要があり、これは自分用に使う場合だけでなく、熱波の中で人々に扇風機を提供するかどうか公衆衛生上の意思決定を行う場合も同様である“と話しています。
このほど発表されたCochrane Reviewでは、熱波における扇風機の効果について過去の研究を調べた結果、研究ごとに結論が錯綜しており、まだ信頼性の高いエビデンスは見つかっていないと報告しています。
また著者の一人であるKatie Carmichaelは”当Reviewは扇風機の利用を支持も否定もしない。扇風機利用について意思決定する人は、現在存在するエビデンスの状況や地域ごとのガイドラインを考慮した上で判断すべき“と語っています。
プレスリリース原文(英語)
⇒Cochrane Finds No Reliable Evidence on Effectiveness of Electric Fans in Heatwaves
Cochrane Library Editorial(英語)
⇒Health protection and heatwaves: the need for systematic reviews
Cochrane Library Review本文(英語)
*Abstract(抄録)は無料公開。レビューの全文を読むにはCochrane Libraryへのアクセス権が必要となります
⇒Electric fans for reducing adverse health impacts in heatwaves
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