ダイエットの敵は体内にあり|夜にポテチやラーメンを食べてしまうのは体内時計のしわざ!? 米国の研究グループが実験

potato夜遅くに高カロリーのものを食べると肥満の原因になるというのは常識ですが、ついつい揚げ物やスナック菓子、ラーメンなどの誘惑に負けてしまうのは多くの人が体験するところです。そういった高カロリー食品を朝から食べる人はあまりいないと思いますが、どうして体に悪いと分かっていながら夜に食べてしまうのでしょう? そのように仕向けているのは、人の体に備わった日周リズム「体内時計」の働きであることを示唆する実験結果が、肥満研究を専門とする米国の学会The Obesity Societyの論文誌Obesityに報告されました。

ramen ⇒ Scheer, F. A.J.L., Morris, C. J. and Shea, S. A. (2013), The internal circadian clock increases hunger and appetite in the evening independent of food intake and other behaviors. Obesity, 21: 421–423. doi: 10.1002/oby.20351
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■ 参考: What Triggers Those Late-Night Snack Cravings? (ScienceDaily, Apr. 29, 2013)

今回の報告を行った米国の研究グループは、体内時計と食欲との関係を調べるため、太っていない健康な成人男女12人を対象に実験を行いました。被験者は、常に薄暗く保たれた実験室内で13日間過ごし、その間は約24時間周期の体内リズムからずれた20時間サイクルで、一定の食事・睡眠のスケジュールに従って生活しました。

実験期間を通して、被験者は空腹度と食欲(どのような食べ物がほしいか)の測定を継続的に受けました。その結果、20時間サイクルで生活しているので睡眠や食事の時刻は日によってまちまちだったにもかかわらず、空腹度は朝8時に最も低く、夜8時に最も高くなる24時間周期のサイクルを示しました。また、同じリズムで夜になると甘いもの・塩辛いもの・デンプン質のもの・果物・肉を食べたくなる欲求が強まることも分かりました。人は体内時計に素直に従っていると、夜に高カロリーのものを多く食べてしまうようにできているようです。一方、野菜に対する食欲については、目立った周期性は見られませんでした。

研究グループは、夜に高カロリーの食事を摂って体内にエネルギーを蓄える習慣は、食糧不足と常に背中合わせだった古代には進化上有利に働いたかもしれないとしています。困ったことに、たとえこのメカニズムが進化によって獲得されたものだとしても、高カロリーの食品があふれる現代にはもはや不必要で、かえって不健康をもたらしてしまいます。早寝早起きと健康な食習慣を守るには、体内時計が発する誘惑に負けない意思の力が必要ということかもしれません。

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