従来行われている羊水及び絨毛検査の出生前診断は正確に胎児の異常を判定することができますが、これらの検査は侵襲的で流産のリスクがあります。この度Ultrasound in Obstetrics & Gynecology誌で発表された研究では、妊婦の血液中に含まれる胎児のDNAを分析するcfDNA検査(セルフリーDNA検査)によって、妊娠初期でダウン症や他の遺伝子異常を今まで以上に正確に判定することができる可能性を示唆しました。
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⇒Implementation of maternal blood cell-free DNA testing in early screening for aneuploidies
M.M. Gil, M.S. Quezada1, B. Bregant, M. Ferraro, K.H. Nicolaides
妊娠10週目でダウン症の染色体異常の21トリソミー, 及びその他の染色体異常の18, 13トリソミーの診断が可能なcfDNA検査の有効性を示す研究がこれまでに発表されていますが、今回の調査はこの検査方法が日常的な検査方法として実現可能か探るために行われました。
2012年10月から2013年4月の間にイギリスのThe Fetal Medicine Centre in Londonに通った1005名の単胎妊婦が調査対象となり、妊娠10週目にcfDNA検査、そして妊娠12週目に従来行われていた超音波・生化学のコンビネーション検査が実施されました。染色体異常の疑いのあった妊婦にはさらに絨毛検査で判定の確認を取りました。
その結果、従来の超音波・生化学検査では偽陽性率が3.4%であったのに対し、cfDNA検査では偽陽性率が0.1%と低く、cfDNA検査の正確性が示唆されました。
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