授乳を6ヶ月以上続けた女性は非喫煙の場合、乳がん発症率が減少する可能性を示唆した研究がJournal of Clinical Nursingで発表されました。一方喫煙者については授乳期間を延ばすことによる乳がん発症率減少の効果は見られませんでした。
本研究は乳がんと妊娠・授乳の関係を確認することを目的とし、San Cecilio University病院(グラナダ、スペイン)で、2004~2009年の間に乳がんと診断された19~91才の504名の女性を分析対象としました。乳がん診断時の年齢、授乳期間、家族の癌歴、肥満度、アルコール摂取量、喫煙の習慣などの要因を調査しました。その結果、家族の癌歴に関わらず出産及び授乳を経験した女性は、そうでない女性と比べて高齢になるまで乳がんを発症しない傾向にあることが確認されました。さらに、非喫煙者で6ヶ月以上授乳を続けた女性は、授乳期間が6ヶ月未満の女性に比べ、乳がん発症の時期が平均して10年も遅くなっていたことが判明しました。
筆頭著者のGonzález-Jiménez氏は「授乳を6ヶ月以上続けることは、乳児に多くのメリットをもたらすだけではなく、非喫煙の母親にとっても乳がんの予防になることが今回の調査によって示唆された」と語っています。
⇒Breastfeeding and the prevention of breast cancer: a retrospective review of clinical histories
Emilio González-Jiménez, Pedro A García, María José Aguilar, Carlos A Padilla and Judit Álvarez
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⇒プレスリリースIn Nonsmoking Women, Breastfeeding for More Than Six Months May Protect Against Breast Cancer
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