John Wiley & Sons社(以下Wiley)は、今年5月に論文著者を対象としてオープンアクセス(OA)出版に関する意識・行動調査を実施し、このほどその結果を発表しました。
プレスリリース: Generation Gap in Authors’ Open Access Views and Experience, Reveals Wiley Survey (October 08, 2013)
この調査は、2012年中にWileyのジャーナルで論文を出版した著者(コレスポンディング・オーサー)約107,000人を対象に、2013年5月に質問票により行われたもので、うち8,465人(7.9%)から回答を得ました。昨年2012年に続き、2回目の調査となります。結果の一部を以下にご紹介します。
□ 過去3年間にOAで論文を出版した経験のある著者は回答者の59%を占め、前回2012年調査時の32%から大きく増加しました。
□ 利用したことのあるOAの形態
- フルOAジャーナルでAPC(=Article Publication Charge, 論文出版料金)あり — 33%
- ハイブリッドOA(購読ベースのジャーナルで、APC支払いによって論文単位でOAを選べるもの) — 30%
- APC不要のOAジャーナル — 29%
(それぞれ全回答者中の%、複数回答可)
□ OA出版の経験がある著者がジャーナルを選ぶ際の基準(上位)
- 周囲の研究者からの評価
- 高いインパクトファクター
- 最終的な出版物のクオリティの高さ
- 厳格な査読(ピアレビュー)
- 信頼できるeditorial board(編集委員会)
□ OA出版の経験がない著者が懸念する点(上位)
- 出版のためにAPCを支払いたくない
- OA出版のクオリティに対する周囲の認識が心配
- APC支払いのための補助金が得られない
- 自分の研究分野では評価の高いOA誌がない
- 購読ベースのジャーナルより質が低い
□ APC支払いのための補助金の有無
回答者の24%がAPCの全額補助を、また29%が一部補助を受けていました。また若手研究者はAPC支払いに研究助成機関や所属機関からの補助金を用いる割合が高く、一方ベテラン研究者は補助金を利用せず自分で支払う傾向が高いというように、世代による違いが見られました。
より詳しい調査結果の内容については、上記リンク先のプレスリリースおよび下のスライドをご覧下さい。
Related posts: