内視鏡フォーラムジャパン(EFJ)報告を掲載、日本消化器内視鏡学会英文誌から特別号出版 【無料公開中】

Endoscopy Forum Japan Special issue日本消化器内視鏡学会の英文機関誌 Digestive Endoscopy から、2013年8月に開催された内視鏡フォーラムジャパン(EFJ)で発表された報告を掲載した特集号が出版されました。Guest Editorの一人である安田 健治朗先生(京都第二赤十字病院 消化器内科)により下記ご紹介いただきましたので、是非本文と共にご一読ください。

  無料公開中   ⇒ Proceedings of the Endoscopy Forum Japan (EFJ) 2013 free_access

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京都第二赤十字病院 安田 健治朗 先生によるご紹介

 長年にわたって、Endoscopy Forum Japan(EFJ)は、内視鏡による診断や治療の発展、内視鏡を用いた手技の普及や、新たな技術の標準化に貢献して参りました。本会議のより一層重要な目的は、国外の内視鏡医、技術者との良好な友好関係、協力関係を構築すると共に国内の内視鏡医の国際化を促進することにあります。

 1999年に初めて本会議を開催して以来、EFJ 2013は今回が15回目で、この5年間に及ぶ第3期の最後の年度に当たります。熟慮されたプログラムのもと、8月3日・4日の両日に北海道の小樽で開催されました。EFJ は上述した目的において圧倒的な成功を収めてきたと申しても過言ではないと思います。会議から生まれた斬新なアイディアや見識は、「Digestive Endoscopy」別冊として世界中の知るところとなっており、国際的な内視鏡コミュニティに貢献しております。

 第15回特別記念会議は午前7時50分に開始され、日本人内視鏡医44名、国際内視鏡医10名[Dr Mark Appleyard (オーストラリア)、Dr Han-Mo Chiu(台湾)、Dr Frederick Dy(フィリピン)、 Dr David Hewett (オーストラリア)、Dr Sang-soo Lee(韓国)、 Dr Dadang Makmun(インドネシア)、 Dr Rungsun Rerknimitr(タイ)、Dr Randhir Sud(インド)、Dr Nguyen Thuy Vinh (ベトナム)、Dr Hsiu-Po Wang(台湾)]が参加し、EFJ の沿革の他、過去10年間で起きた印象的で、痛ましい反面、勇気づけられる災害の場面やイベント等で構成された短編映像が上映されました。

 会議初日には、3つのトピックセッション及び2つの講演が行われました。トピックセッションでは「バルーン内視鏡ERCP(逆行性胆道膵管造影)を行うには? 現状と手技のヒント」、「十二指腸非膨大部の表在性腫瘍の内視鏡的診断および治療」、「5mm未満の小隆起性結腸直腸病変(ポリープ)の治療戦略:病理学的評価を行わずに除去/切除すべきか?」の3つのテーマを取り上げました。いずれのトピックも基調講演後、結論およびコンセンサスが得られるまで活発に討議されました。また、特別講演として、Dr Frederick Dyによる「フィリピンにおける内視鏡の現状」とDr Dadang Makmunによる「インドネシアにおける診断・治療のための内視鏡の現状と訓練システム」の2つの講演が行われました。

 会議2日目は、Dr Hsiu-Po Wang による「台湾における内視鏡教育および訓練」およびDr Nguyen ThuyVinhによる「消化器内視鏡に対するベトナム消化器内視鏡学会(VFDE)の行動計画」の2つの特別講演で始まりました。いずれの講演も興味深く注目に値するものでした。

 内視鏡医や技術者により、よりよい内視鏡的診断および治療や今後の新たな手技を開発するための新技術について討議が行われました。
 
 最後に、Dr Choitsu Sakamoto(坂本 長逸、Digestive Endoscopy編集長)から「消化器内視鏡分野における臨床研究水準向上戦略」について特別コメントが述べられました。

 今後の内視鏡検査や技術に関して共通の目標に到達することを目指し、上述のさまざまな議題について意義深い議論を行うことができました。これらの議論は非常に魅力的かつ素晴らしいもので我々の学術的関心を十分満足させるものでした。

 我々は今回の結果や結論を世界中の内視鏡医と共有すべきと考えます。今後の内視鏡の発展に向けた各国の内視鏡的診断・治療、教育・訓練の現状を知ることができ、今回の議論を通して得られた新しいアイディアを広めることができます。さらに、参加者たちと新たな友好関係を築くことは今後の内視鏡領域の発展にとってより重要であると考えます。

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