ノンカロリー飲料の減量効果、米コロラド大などのグループが支持する報告|12週間の減量プログラム参加中に水だけを飲んだ人よりも減量幅が平均2kg近く拡大(オープンアクセス)

drink「ダイエット〇〇」あるいは「△△ゼロ」といった、砂糖の代わりにノンカロリーの人工甘味料を使用したドリンク類が多く出回っています。体重を気にしてこういったノンカロリー飲料を選ぶ人が多い一方で、その効果については、数十年にわたる研究にもかかわらずまだ明確な結論が得られていません。一日を通じてのカロリー摂取を減らす効果を支持する報告がある一方で、効果がないという結果や、中には逆に空腹感を高めてカロリー摂取を増やしてしまうという研究結果も報告され、研究者の間でも意見が大きく分かれています。

このほど米コロラド大学とテンプル大学の共同研究グループは、減量プログラム参加中に毎日ノンカロリー飲料を飲んだグループと水だけを飲んだグループとで体重の減少幅を比較した結果、ノンカロリー飲料を摂取したグループの体重減少が有意に大きかったと発表しました。ノンカロリー飲料の減量効果を支持するこの論文は、肥満研究の主導的な学会The Obesity Societyの公式誌 Obesity に掲載され、オープンアクセスで公開されています。

Obesity

この研究は、運動や食生活指導からなる12週間の減量プログラムの参加者303人 (BMI 27~40) を、毎日ノンカロリー飲料を摂取するグループと水だけを摂取するグループとにランダムに分けて行われました。その結果、ノンカロリー飲料のグループで有意に大きな体重減少が見られたほか、5%以上の減量に成功した人の割合も、ノンカロリー飲料のグループが水だけのグループを上回りました。

グループ 摂取した飲料 体重減少の平均 5%以上減量できた人の割合
ノンカロリー飲料 毎日24オンス*以上のノンカロリー飲料(水は摂取自由) 5.95 kg 64.3%
水だけ 毎日24オンス*以上の水(ノンカロリー飲料は摂取せず) 4.09 kg 43.0%

* 24オンス=約710 ml

研究グループは、ノンカロリー飲料が減量を促進するメカニズムは現段階で不明としていますが、ノンカロリー飲料のグループの方が空腹感のスコアが低かったことから、食事制限に従うのが容易だった可能性を挙げています。過去の一部の研究では、ノンカロリー飲料を飲むとさらに甘いものがほしくなり結果的にカロリー摂取を増やすと報告されていますが、今回の研究ではそのような因果関係を示す結果は認められなかったとのことです。研究グループでは、減量プログラム終了後の追跡調査を行い、長期的な効果の有無を検証する予定です。

Related posts:

  1. 「炎症と肥満」オンライン特集号 – 関連論文を無料公開中
  2. 「小児肥満」Acta Paediatricaから特集号リリース
  3. 早食いの人が太りやすい原因は食べ過ぎだけではない? 同じ食事量でも、ゆっくりよく噛んで食べると食後のエネルギー消費量が大幅に増えることが判明(東工大・林 直亨教授ら)
カテゴリー: 生活習慣病   パーマリンク

コメントは受け付けていません。