英グラスゴー大学の研究グループは、食事つき学生寮の寮生を対象に長期実験を行った結果、食事のカロリー表示が体重増加の抑制に対して効果があることを明らかにしました。この研究結果は、このほど肥満研究の学会The Obesity Societyの公式誌 Obesity で報告されました。
- 論文 ⇒ Nikolaou, C. K., Hankey, C. R. and Lean, M. E. J. (2014), Preventing weight gain with calorie-labeling. Obesity, 22: 2277–2283. doi: 10.1002/oby.20885 (無料公開中)
食事のカロリー表示は体重増加の抑制に役立つと言われてきましたが、これまでその効果を実生活の環境で確認した報告例はありませんでした。日常生活の中では食事ごとにカロリー表示の有無を統制するのが難しいためで、これまで行われた実験は、特定の状況下でカロリー表示が食品購入に与える影響を調べるに留まっていました。
今回の報告を行ったグラスゴー大学のグループは、同大学の寮生120人を被験者として、2年間にわたる長期研究を実施しました。この学生寮は朝・夕食つきで、外の食料品店や食堂に行くには徒歩20分もかかるという、食事内容の統制に適した環境にありました。
実験は寮食堂で出される夕食を対象に、夏休みを除く36週間にわたり、1年目はカロリー表示なし、2年目はカロリー表示ありと条件を変えて行われました。夕食は3品のコースで、2~3種類の選択肢から注文できます。36週間の前後に体重を測定したところ、平均体重の変化は1年目が+3.5kgだったのに対し、カロリーを表示した2年目は-0.15kgと体重減少に転じました。同じ期間、寮生以外の学生の平均体重の変化は1年目が+1.8kg、2年目が+2.1kgだったのと比べると、寮食堂でのカロリー表示の効果が顕著なことが分かります。
食材の消費状況を分析したところ、カロリー表示を実施した2年目は総カロリー量が18%減少し、特にデザートの材料や油の消費が大幅に減っていました。実生活の中で食事のカロリー表示の効果を確認した初めての研究として注目されます。
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