根岸英一先生(2010年ノーベル化学賞受賞)が現在ご執筆されている日経朝刊連載の「私の履歴書」を、毎日楽しみにお読みの方も多いのではないでしょうか。今朝(10月23日)掲載された第22回では、先生が編集された「有機合成のための有機パラジウム化学のハンドブック」の出版について書かれています。パラジウム触媒による有機合成反応の集大成として企画された本で、多くの日本人化学者を含むこの分野の代表的な研究者の協力を得て、3,300頁を超える2部構成の大著となりました。根岸先生が担当されたのは初めの2章とクロスカップリング反応ですが、それだけでも約1,000頁もあり、欧州での講演旅行中に、列車の車中で校正をされていたそうです。
2002年にWileyから出版された本書(原題: Handbook of Organopalladium Chemistry for Organic Synthesis)は、この分野の名著として高く評価され、出版から十年経った今も世界中の研究者に愛用されています。基本図書として、図書館・研究室にお備えになってはいかがでしょうか。
Handbook of Organopalladium Chemistry for Organic Synthesis: Volume 1 and Volume 2
Ei-ichi Negishi (Editor), Armin de Meijere (Associate Editor)
ISBN: 978-0-471-31506-3
Hardcover / 3424 pages / July 2002
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Handbook of Organopalladium Chemistry for Organic Synthesis