The Chemical Record誌に故・野副鉄男元東北大学教授の評伝|「ヒノキチオール」発見など、戦前・戦後の日本の有機化学の発展に貢献

戦後、東北大学理学部教授として活躍した故・野副鉄男博士(右写真・1902~1996年)は、1936年にタイワンヒノキの精油から「ヒノキチオール」を発見するなどトロポノイド化学において偉大な足跡を残し、戦前・戦後を通じて日本の有機化学の発展に大きな役割を果たしました。

その野副博士の業績を回顧する評伝が、日本化学会とWiley-VCHが共同出版する英文誌The Chemical Recordの最新号に掲載されました。東北大学で野副博士に師事した村田一郎、伊東 椒、浅尾豊信各先生によるこの評伝は、同誌オンライン版で無料公開されています。
 ⇒ Murata, I., Itô, S. and Asao, T. (2012), Tetsuo Nozoe: Chemistry and Life. Chem Record, 12: 599–607. doi: 10.1002/tcr.201200024

またThe Chemical Record誌の同号には、前号に続き、野副博士が約40年間にわたって残した1,200ページに及ぶサイン帳の復刻も掲載されています。全15回連載中の第2部にあたる今回は、野副博士が1957年に欧米各地を訪問した際に収集したサインを載せており、E. J. Corey教授ら世界的な化学者たちが博士のために書いたサインとメッセージを読むことができます。

■ サイン帳・第2部(無料公開/全文を読むには「Get PDF」をクリックして下さい。PDFは約20MBあります)
(2012), The Nozoe Autograph Books: Segment 2. Chem Record, 12: n/a. doi: 10.1002/tcr.201290026
■ サイン帳の各巻構成と、今回の第2部までにサインが収録されたノーベル賞受賞者(無料公開)
(2012), Bonding beyond Borders: Autograph Book Table and List of Nobelists. Chem Record, 12: 608. doi: 10.1002/tcr.201290025

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