米スタンフォード大のBarry M. Trost教授らは、パラジウム触媒を用いて、C-H活性化による不斉アリル位アルキル化反応(AAA反応)に初めて成功し、Angewandte Chemie International Editionでその成果を報告しました。脱離基の置換による従来のAAA反応に代わる手法となるもので、ピログルタミン酸を出発原料として新規に合成したホスホルアミダイト配位子の使用が今回の成功につながりました。
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⇒ Trost, B. M., Thaisrivongs, D. A. and Donckele, E. J. (2013), Palladium-Catalyzed Enantioselective Allylic Alkylations through C–H Activation . Angew. Chem. Int. Ed., 52: 1523–1526. doi: 10.1002/anie.201207870
Trost研では、この新しい配位子を他のC-H活性化反応にも利用する試みを進めているそうで、今後の展開が注目されます。
■ この論文は、同誌のVIP (Very Important Paper)に選ばれました。
⇒ VIP: Palladium-Catalyzed Enantioselective Allylic Alkylations through C–H Activation