陶磁器に代表されるように、硬いが衝撃で割れやすいというイメージが強いセラミックスですが、そのような常識に収まらないさまざまな新しいセラミック材料が開発されてきています。このほど、独シュトゥットガルト大学とマックス・プランク研究所の研究者らによるグループは、紙のように丸めたり折り畳んだりすることが可能で、しかも導電性を備えた新しいセラミックスの開発に成功し、その成果をAdvanced Materials誌で報告しました。
⇒ Burghard, Z., Leineweber, A., van Aken, P. A., Dufaux, T., Burghard, M. and Bill, J. (2013), Hydrogen-Bond Reinforced Vanadia Nanofiber Paper of High Stiffness. Adv. Mater.. doi: 10.1002/adma.201300135 (本文を読むにはアクセス権が必要です)
同グループは、五酸化バナジウムのナノファイバーを原料に、厚さ0.5~2.5μmという紙のように薄いセラミックスを合成しました。そのモデルになったのは天然の真珠層ですが、真珠層にはない柔軟性を備え、丸めたり折り曲げたりすることが可能となっています。またこのセラミックスには導電性があり、ファイバーと直角の方向よりも平行方向に導電率が高いという性質があります。バッテリーやガスセンサー、人工筋肉のアクチュエーターなどへの応用が期待されています。
参考リンク
- 紙のように折り畳める導電性セラミックを開発、二次電池・ガスセンサ・人工筋肉などに応用 ・・・ ドイツ (SIJニュース)
- A folding ceramic (マックス・プランク研究所プレスリリース)