「InChIって何?」という人なら見逃せない、IUPACの「InChI入門」動画はサービス精神たっぷりの力作!

化学を本格的に学び始めてから、論文やデータベースで”InChI”, “InChiKey”といった言葉を目にして「何だこれ?」と戸惑いませんでしたか? InChIは世界共通で使える化合物の標準名、InChiKeyはそれを25文字に短縮した識別コードですが、無味乾燥な説明からではピンとこない人も多いでしょう。

国際純正・応用化学連合(IUPAC)がInChIの普及を目的として作った団体InChI Trustは、InChIの概念とその意義を誰にでも分かりやすく解説する「InChI入門」動画を制作、今月ニューオーリンズで行われたACS大会で発表するとともにYouTubeでも公開しました。これが予想外の面白さですので、一見をおすすめします。化学ニュースサイトChemistry Viewsのページで、全4本を通して視聴できます。
 ⇒ What is the InChI Code?

例えば1本目”What on Earth is InChI?”(InChIっていったい何?)はこちらです。あとの3本は上のリンク先からご覧下さい。

IUPACは、米国の国立標準技術研究所(NIST)とともにInChIの策定機関のひとつとなっています。今回の動画は、IUPACのようなお堅い団体が作ったとは思えないほど、アニメやBGMを駆使して面白くまたテンポよく展開します。登場人物の”the greatest thing ever since sliced bread”(「薄切り食パン以来最高の発明」)という一言に合わせて、女の子が食パンを食べたりパンが機械でスライスされる動画を入れるなど、本筋から外れたところにまで及ぶサービス精神は、ほかの科学ビデオではなかなか見られないものでしょう。それでいて、見終わった時には、InChIという一見取っつきにくい概念への理解が深まったことを実感できるはずです。

15分強あれば全編見られます。英語音声が部分的に聞き取れなくても動画で理解を補えますので、休憩時間にでも気軽にお試し下さい。

カテゴリー: ちょっと一息, 一般 パーマリンク