当ブログで先にお知らせした通り、Angewandte Chemie, Advanced MaterialsほかWileyのジャーナル6誌で、論文のソーシャル・インパクトを数値化するAltmetric Scoreの試験導入が始まりました。それに関連して、24日の記事でAltmetricを使って論文についてのツイートや解説ブログが数クリックで読めることをご紹介したところ、Chem-Stationさんのツイートで「ケムステの記事は捕捉されていない?」との疑問が寄せられました。実際、Altmetricからリンクしているブログはもっぱら英語圏のものばかりが目立ちますので、日本語ブログへの対応状況がどうなっているか、サービスの提供元であるAltmetric社に聞いてみました。
Altmetric社にはデータ・キュレーターと呼ばれる担当者がいて、捕捉対象とする科学ブログを人力で登録しています。内容的に捕捉対象としてふさわしいと判断されたブログはリストに加えられ(現在3千以上)、その後はブログ記事に含まれる論文へのリンクを自動的に読み取って、論文のスコアや記事へのリンクに反映させる仕組みになっています。
Altmetricでは、英語以外のブログの捕捉も増やしていきたいが、日本語ブログとなると全く内容が分からないので、質の良し悪しを評価できないことが障害になっているそうです。そのため、日本のユーザーが良質の科学ブログを推薦してくれれば歓迎とのことです。
手始めに、Chem-StationさんとChemASAPさんを推薦して、捕捉対象に加えてもらいました。今後、両ブログに新しく投稿される記事から、順次Altmetricに反映されていく予定です。
Altmetricで捕捉される日本語ブログが増えると、Angewandte Chemieなどで興味を引く論文を見つけたとき、それについて日本語で解説したブログ記事を見つけやすくなり、理解の助けになります。一方ブログの運営者にとっても、自分の記事が発見される機会が増え、新しい読者の獲得につながると期待できます。Altmetricの捕捉対象にふさわしい良質の科学ブログをご存知の方は、自薦・他薦を問わずAltmetricに教えてあげて下さい。Altmetricには、こちらのページからメールかFeedbackフォームで連絡が可能です。