ナノ科学の高インパクト誌”Small”編集長による論文投稿ウェブセミナーをオンデマンド配信開始|知ってますか? カバーレターに書くべきこと


5月30日に開催された、ナノ科学・ナノテク分野を代表する論文誌 SmallのEditor-in-Chiefを務めるDr. Jose Oliveiraが論文投稿のコツをアドバイスするウェブセミナーに、多数のご参加をいただきありがとうございました。当日ご都合が悪くご参加いただけなかった方のために、セミナーの模様のウェブ公開を開始しました。当日使われたスライドや講師の肉声がそのまま再現され、オンデマンド配信によりいつでも都合の良い時間に視聴できます。(約1時間)

■ 配信ページはこちらです。 ⇒ Jose Oliveira Workshop Recording

Small誌は、マイクロ/ナノスケールの科学・技術に関する学際的・独創的な成果を出版するジャーナルです。IF 8.349の高インパクト誌で、年間の論文投稿数は3,300報、リジェクト率は85%となっています。

今回のセミナーでは、

  • 研究成果をジャーナルで発表する意義
  • 適切な投稿先を選ぶためのポイント
  • 投稿された論文の中でエディターが特に注目する点
  • 査読プロセスと、査読者からの指摘への応え方
  • 出版された成果を多くの人に知ってもらう方法

など、論文を書く人、これから書こうとする人が押さえておくべき基礎知識が一通りカバーされていました。雑誌や分野を問わず通用するアドバイスがほとんどでしたので、ナノ分野以外の方にも役立つ内容です。特に院生や若手研究者の方にはおすすめです。

内容の一部をご紹介すると、投稿論文でエディターが注目する点として、カバーレターの役割が強調されました。カバーレターでは、自分の研究の重要性や新規性を充分にアピールすることが重要ですが、冗長になると本当に訴えたいポイントが埋没して逆効果なので、なるべく簡潔にまとめるよう留意すべきとのことです。

またカバーレターでは、適切な査読者を推薦することが歓迎される一方、conflict of interest(利益相反)の観点から、査読者として不適切と考えられる人を挙げることも求められます。不適切な査読者には、自分にとって有利な人と不利な人の二種類があります。師弟関係や共同研究者の関係にあって自分に有利なバイアスがかかりそうな人とともに、論文の内容を知られたくない研究上のライバルも対象になります。

また、communicationの後にfull paperを書く場合など、同じ研究に関連する別の論文を出版する予定があれば、採択が未定のものも含めてカバーレターでエディターに告知しておく必要があります。これを怠ると、後になって倫理的な問題が生じるリスクがあります。

カテゴリー: 一般 タグ: パーマリンク