<論文紹介> 半導体光触媒によるCO2還元(ACIE・総説)

sunlight太陽光エネルギーを利用してCO2を資源化する試みは、地球温暖化問題とエネルギー問題の両方の解決につながるとの期待から、近年ホットな研究領域となっています。太陽電池による方法などいくつかのアプローチがある中で、二酸化チタンに代表される半導体光触媒を用いたCO2還元は特に有力視され、多くの論文が発表されています。

独ルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘンのLukas Schmidt-Mende教授らによってこのほどAngewandte Chemie International Editionに発表された詳細な総説は、この半導体光触媒によるCO2還元に関する研究の現状を解説するものです。還元反応の機構と反応効率の測定についての問題を論じたのち、二酸化チタンのほか硫化物・酸化物・リン化物など触媒別に、これまでの成果と今後の課題を検討していきます。多数の研究グループによる成果を最新のものまでカバーし、分かりやすく整理しているため、この分野の研究状況を俯瞰するにはきわめて有用な総説となっています。

 ⇒ Habisreutinger, S. N., Schmidt-Mende, L. and Stolarczyk, J. K. (2013), Photocatalytic Reduction of CO2 on TiO2 and Other Semiconductors. Angew. Chem. Int. Ed.. doi: 10.1002/anie.201207199 (本文を読むにはアクセス権が必要です)

カテゴリー: 論文 パーマリンク