京都大学大学院理学研究科・大須賀 篤弘教授と現・同工学研究科の東野 智洋助教は、6つのピロールユニットから構成される環拡張ポルフィリンであるヘキサフィリン内に還元ポルフィリンの一種フロリンの構造を含む「フロリン型ヘキサフィリン」の合成に初めて成功し、その成果をChemistry - An Asian Journal誌で報告しました。フロリンは、ユニークな光物理学的性質・酸化還元特性により以前から関心を持たれていましたが、不安定なため研究が困難とされてきました。一方、今回のフロリン型ヘキサフィリンは安定性が高いため、今後の研究対象として期待されます。
⇒ Higashino, T. and Osuka, A. (2013), 2,3,17,18-Tetrahalohexaphyrins and the First Phlorin-type Hexaphyrins. Chem. Asian J.. doi: 10.1002/asia.201300474
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★ この論文は、同誌の注目論文としてVIP (Very Important Paper)に選ばれました。
⇒ VIP: 2,3,17,18-Tetrahalohexaphyrins and the First Phlorin-Type Hexaphyrins
■ Chem. Asian J.では、二人の査読者が特に重要性を認めた論文をVIP (Very Important Paper)としています。
⇒ 最近VIPに選ばれた論文
またこの論文の内容は、化学ニュースサイトChemistry Viewsで注目の成果として紹介されました。
⇒ First Examples of Phlorin-type Hexaphyrins (June 25, 2013, Chemistry Views)