物理化学分野での顕著な功績を顕彰する英国王立化学会(RSC)のSpiers Memorial Awardは、カリフォルニア大学サンディエゴ校のJoseph Wang教授が2013年受賞者に決まりました。
⇒ Spiers Memorial Award for J. Wang (July 1, 2013, Chemistry Views)
Spiers Memorial Award賞は、RSCが年6回開催する物理化学の討論会Faraday Discussionで、各回の基調講演者の中から受賞者が選ばれる、栄誉ある化学賞です。2011年には首都大学東京の春田正毅教授が、「金の化学および金の触媒作用という新しい分野の創出に対する卓越した貢献」を理由に同賞を受賞しています。
Wang教授の専門は、ナノ材料を生体分子の分析に応用する「バイオナノエレクトロニクス」と呼ばれる分野で、特に医療現場で検査に用いるための電気化学式センサの開発に力を入れて取り組んでいます。ナノモーターやナノマシンの医療・環境への応用にも関心を寄せています。先月当ブログでご紹介した「人の汗から発電するバイオ燃料電池」もWang教授のグループの成果です。Wang教授はまた、Wiley-VCHのElectroanalysis誌の編集長も務めています。