Chemistry - A European Journalにほぼ毎号掲載される”Concept”は、特定の研究分野の発展に大きく貢献した化学的概念を取り上げ、これまでの成果と今後の可能性を論じる総説です。それぞれのテーマにおいて主導的な役割を果たしてきた、その分野の権威者ともいえる化学者によって執筆されているため、簡潔ながら非常に読み応えのある内容となっています。
ちょうど最近公開されたConcept 2報は、いずれも日本人化学者によって書かれたものです。これら2報や過去のConceptから、自分の研究テーマに関わる論文を探して読んでみてはいかがでしょうか。(本文を読むにはアクセス権が必要です)
- 東京大学大学院理学系研究科・小林 修教授と山下 恭弘准教授による「金属アミドを用いる触媒的不斉反応」
⇒ Yamashita, Y. and Kobayashi, S. (2013), Metal Amides as the Simplest Acid/Base Catalysts for Stereoselective Carbon–Carbon Bond-Forming Reactions. Chem. Eur. J.. doi: 10.1002/chem.201300908
- 東京工業大学大学院生命理工学研究科・上野 隆史教授による「反応容器としての蛋白質結晶細孔」
⇒ Ueno, T. (2013), Porous Protein Crystals as Reaction Vessels. Chem. Eur. J., 19: 9096–9102. doi: 10.1002/chem.201300250
* 上野教授は、4月に著書 Coordination Chemistry in Protein Cages: Principles, Design, and Applications (右に表紙画像)をWileyから出版されています。