大阪市立大学大学院工学研究科・小畠 誠也教授の研究室がAngewandte Chemie International Edition (ACIE)に発表した、ジアリールエテン結晶が光照射によってねじれを起こす現象に関する論文が、同誌のVIP (Very Important Paper)に選ばれました。
この論文は現在、Early Viewとしてオンライン版で先行公開されています。(本文を読むにはアクセス権が必要です)
⇒ Kitagawa, D., Nishi, H. and Kobatake, S. (2013), Photoinduced Twisting of a Photochromic Diarylethene Crystal . Angew. Chem. Int. Ed.. doi: 10.1002/anie.201304670
光照射に応答して変形する有機材料の研究が近年盛んになっており、ジアリールエテンはその代表として注目されています。小畠教授らは、針状のジアリールエテン結晶にUVを照射するとねじれが生じ、可視光照射で元に戻ることを明らかにしました。この現象は、分子が光環化反応によって閉環体と開環体の間を行き来するために起こるもので、閉環体になると斜め方向に縮小するためにねじれが生じます。小畠教授らは、UVの照射方向によってねじれの方向が時計回り・反時計回りに変わることも確認しました。将来的には、光に反応して作動するアクチュエーターへの応用が期待されます。
★ ACIEでは、二人の査読者が特に重要性を認めた論文をVIP (Very Important Paper)としています。
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