今年は向山光昭博士らによる「向山アルドール反応」の報告から40年にあたり、記念行事などが行われています。その一環として、Angewandte Chemie International Edition (ACIE)に、京都大学大学院工学研究科・村上 正浩教授と金沢大学薬学部・松尾 淳一准教授による総説(Minireview)が掲載されました。同反応が1973年に報告された後、シリルエノールエーテルを用いた交差アルドール反応、ボロンアルドール反応、スズエノラートによるアルドール反応、不斉合成反応への拡張に関して報告された新しい展開に焦点を当てています。
⇒ Matsuo, J.-i. and Murakami, M. (2013), The Mukaiyama Aldol Reaction: 40 Years of Continuous Development. Angew. Chem. Int. Ed.. doi: 10.1002/anie.201303192 (本文を読むにはアクセス権が必要です)
- ACIEに先に掲載された、イリノイ大・デンマーク教授らによる総説も併せてご覧下さい。同反応が確立されるまでに乗り越えられた課題と、同反応がその後の有機合成化学にもたらしたインスピレーションを総括する内容となっています。
- 関連新刊書
Modern Methods in Stereoselective Aldol Reactions
Rainer Mahrwald (Editor)
ISBN: 978-3-527-33205-2
Hardcover / 548 pages / January 2013
立体選択的なアルドール付加反応に関する最新の研究成果を解説。ビニロガス向山アルドール反応、基質制御によるアルドール反応、アルドール反応における不斉誘導といった新しいアプローチを重点的に紹介します。