アラン・チューリングへの死後恩赦の可能性高まる - 英国政府が議員立法法案に支持を表明

同性愛の罪で有罪とされた末、1954年に亡くなった英国の数学者・論理学者アラン・チューリングに対して、死後恩赦が認められる可能性が高まりました。先週、英国政府は、チューリングに死後恩赦を与える議員立法法案を支持する考えを示したとのことです。

 ⇒ UK government announces Alan Turing is to be pardoned (July 23, 2013, Statistics Views)

チューリングは計算機科学の基礎をなす大きな業績を遺すとともに、第二次大戦中は敵国ドイツの暗号「エニグマ」の解読に成功し、ドイツの降伏を早めたといわれるほどの貢献を果たしました。しかしチューリングは、1952年に当時の英国で犯罪とされていた同性愛の罪に問われて有罪判決を受け、失意のうちに2年後服毒自殺を遂げました。

その後、チューリングの名誉回復を求める運動が繰り返された結果、2009年に当時のブラウン首相が公式に謝罪を表明しましたが、チューリングの受けた罪状そのものを取り消す死後恩赦は行われませんでした。昨年12月には、理論物理学者スティーブン・ホーキング博士ら著名な科学者がチューリングの死後恩赦を求める書簡を連名で発表しましたが、恩赦の実現には至っていませんでした。今回、英国政府が方針転換を示したことで、没後60年近くを経ての名誉回復がいよいよ実現するか、注目されます。

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