<論文紹介> どこまで延びる? 記録更新が相次ぐ、多数の窒素原子が連なった分子の合成 (ACIE・総説)

Angewandte Chemie International Edition窒素原子が鎖状に長く連なった構造を含む分子は、一般に不安定で爆発性が高いため、合成が困難なだけでなく取り扱いに細心の注意を要します。しかし、ミュンヘン大学のKlapötke教授をはじめとする化学者らのチャレンジの結果、新規な窒素豊富化合物が近年次々と報告され、「窒素原子が最も長くつながった構造」の記録が頻繁に塗り替えられてきています。Klapötke教授らが2011年に窒素原子10個の鎖状構造の合成に成功したのに続き、今年4月には南京理工大学のGuangbin Cheng教授らのグループが、窒素原子11個が連続する結合を報告しました。

このほどアイダホ大学のJean’ne M. Shreeve教授らによってAngewandte Chemie International Edition (ACIE) に掲載されたショートレビューでは、この分野での最近の展開が簡潔にまとめられています。爆発性がきわめて高い化合物が続々と登場するこの論文、読んでいて思わず背筋に冷たいものを感じるかもしれません。

 ⇒ Zhang, Q. and Shreeve, J. M. (2013), Growing Catenated Nitrogen Atom Chains . Angew. Chem. Int. Ed., 52: 8792–8794. doi: 10.1002/anie.201303297
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