2013年ノーベル賞は誰の手に? トムソン・ロイターが各賞有力候補者予想を発表、Chemistry Viewsも化学賞予想の読者投票を開始

chemistry2013年ノーベル各賞受賞者の発表は10月7~14日を予定、うち物理学賞の発表は10月8日(火)、化学賞は翌9日(水)のいずれもスウェーデン時間11:45以降(日本時間・同日18:45以降)となっています。

例年と同様に受賞者予想が盛り上がり始める中、トムソン・ロイターは、論文の引用データに基づくノーベル賞有力候補者として、恒例の「トムソン・ロイター引用栄誉賞」(Citation Laureates)を発表しました。

日本人科学者では、医学・生理学で東大・水島 昇教授と東工大・大隅 良典特任教授(オートファジー研究)、物理学で東工大・細野 秀雄教授(鉄系超伝導体の研究)の三氏が選ばれています。

日本以外からは物理学で「ヒッグス粒子」を予想したFrançois Englert・Peter W. Higgsの両氏、化学では「DNAナノテクノロジー」でChad A. Mirkin教授、「モジュラー・クリックケミストリー」でBarry Sharpless教授らが選ばれています。Mirkin教授は毎年のように受賞候補に名前が挙がる常連であり、またSharpless教授は2001年に「キラル触媒による不斉酸素化反応の研究」を理由に化学賞を受賞済みで(野依 良治・William S. Knowles両氏と共同受賞)、二度目の受賞となるか注目されます。

一方、化学ニュースサイトChemistry Viewsも、ノーベル化学賞の受賞者予想の読者投票を受付開始しました。

ちなみに昨年(2012年)の読者予想はどうだったかというと、候補者としてこういった名前が挙がっていました。

Robert J. Lefkowitz・Brian K. Kobilka両教授の受賞を当てた読者は一人もいませんでした。「Gタンパク質共役受容体に関する研究」という生化学領域からの受賞だったため、予想が難しかったようです。その前年(2011年)に「準結晶」を発見により受賞したイスラエルのDaniel Shechtman教授は固体物理学・物性物理学の研究者で、このように純粋な化学者以外が化学賞を受賞するケースが近年増えています。

そういった傾向に複雑な思いを持つ化学者も少なくないでしょうが、必ずしも嘆くべきことではないという趣旨のコラムを、昨年Roald Hoffmann教授(1981年受賞者)がAngewandte Chemie International Editionに寄稿しています。

受賞者もさることながら、今年はどういった分野・研究主題が受賞対象になるかも興味深いですね。

 参考リンク 

  • ノーベル化学賞受賞者の国別・年齢別などデータ(2011年まで): Nobel Prize Trends
カテゴリー: 一般 タグ: パーマリンク