<論文紹介> プラスチック廃棄物の「アップサイクリング」|高価値なCNTの原料に転換する技術と課題(総説・無料公開中)

使用済みプラスチックのリサイクリングに関して、日本は世界の最先進国となっています。2010年の日本のプラスチックリサイクル率は77%で、英国の2倍、米国を20ポイント上回る高水準だそうです。(出典; プラスチック処理促進協会)

プラスチックのリサイクル手法は、下の3つに分類されています。

  1. 破砕・分離などにより再生プラスチックの材料として利用する「メカニカルリサイクリング」
  2. モノマーに分解するなどして他の化学物質に転換する「ケミカルリサイクリング」
  3. 燃料として発電などに利用する「サーマルリサイクリング」

pet_bottle最近では、2番目のケミカルリサイクリングをさらに一歩進めて、プラスチック廃棄物を付加価値の高いカーボンナノマテリアルの原料として再利用する「アップサイクリング」の動きが生まれ、活発に研究が進められています。

米ノースイースタン大学のYiannis A. Levendis教授らによってJournal of Applied Polymer Scienceに掲載されたこの総説では、電子材料・構造材料といった用途に需要の高まるカーボンナノチューブ(CNT)に焦点を合わせ、プラスチック廃棄物をその原料に転換するために近年開発された技術と今後の課題を整理しています。

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