トランスに折れ曲がった構造を持つケイ素-ケイ素三重結合化合物ジシリンは、過去十年間活発な研究の対象となってきましたが、遷移金属錯体の配位子としての実験的研究はほとんど報告例がありませんでした。東北大学大学院理学研究科の岩本 武明教授、石田 真太郎講師らは、単離可能なジアルキル置換ジシリンを新規に合成し、それを用いてパラジウムおよび白金にジシリンがη2配位した錯体を得ることに成功するとともに、それぞれの性質を明らかにしました。その成果を報告した論文は、Angewandte Chemie International Edition (ACIE) の注目論文 VIP (Very Important Paper) に選ばれました。
- 論文 ⇒ Ishida, S., Sugawara, R., Misawa, Y. and Iwamoto, T. (2013), Palladium and Platinum η2-Disilyne Complexes Bearing an Isolable Dialkyldisilyne as a Ligand. Angew. Chem. Int. Ed.. doi: 10.1002/anie.201308517
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■ ACIEでは、二人の査読者が特に重要性を認めた論文をVIP (Very Important Paper)に選んでいます。
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