<論文紹介> ニッケルとイリジウムのコアシェル型ナノ粒子、開環反応触媒としてイリジウム単体の2倍近い活性(ChemCatChem)

ChemCatChem開環反応などのすぐれた触媒として知られるイリジウムですが、非常に稀少で高価なことが難点です。イリジウム触媒を他の金属で部分的にでも置き換えることができれば、経済的にも資源管理の面でも大きな意味を持ちます。

アルバータ大学(カナダ)のNatalia Semagina教授らは、ニッケルを中心として表面にイリジウムを配置したコアシェル型の二元金属ナノ粒子(両者のモル比は1:1)を合成しました。同教授らがこれをインダンの開環反応に触媒として用いたところ、イリジウム単体と比べて触媒活性が2倍近くに高まることを発見し、ChemCatChem誌で報告しました。単体としては同じ反応でほとんど触媒能を示さないニッケルがイリジウムの触媒活性を強化することは興味深く、豊富で安価なニッケルによる代替でイリジウム使用量を削減できるようになることが期待されます。

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