水の光分解による水素製造や人工光合成による有機物生成は、エネルギー問題をクリーンに解決する新技術として注目されています。その鍵を握る重要なステップが「水の酸化反応」で、各国の多くの無機化学者が研究課題として取り組んでいます。
このテーマに関するさまざまなアプローチからの研究成果をまとめた特集号が、European Journal of Inorganic Chemistry (Eur JIC) から2014年2月号(Volume 2014, Issue 4)として発行されました。人工光合成の主導的な研究者のひとりである英ニューカッスル大学 Anthony Harriman教授による光酸化触媒に関するエッセイのほか、多様な種類の酸化触媒と反応機構を取り上げた原著論文および総説を集めています。新潟大・八木 政行教授、京都大・田中 晃二特任教授、大阪大・福住 俊一教授、上智大・長尾 宏隆教授、東京大・堂免 一成教授ら日本の研究者による論文が多数含まれる点も注目されます。
- 同号の目次: Special Issue: Water Oxidation Chemistry / Table of Contents (February 2014: Volume 2014, Issue 4) (本文を読むにはアクセス権が必要です)
- 共同客員編集長のオランダ・ライデン大学Dennis G. H. Hetterscheid准教授、スウェーデン王立工科大学Licheng Sun教授によるEditorial:
Hetterscheid, D. G. H. and Sun, L. (2014), Water Oxidation. Eur. J. Inorg. Chem., 2014: 571–572. doi: 10.1002/ejic.201301408 (無料公開)