Paul AnastasとJohn Warnerが1998年の著者で提唱した 「グリーンケミストリー12原則」は、地球環境に配慮した化学工業をめざすための指針として世界的に広く受け入れられています。これら12原則を、産業規模の大きい高分子工業に当てはめ、製造技術の現状を環境面から評価する総説がMacromolecular Reaction Engineering誌で発表されました。
- 論文 ⇒ Dubé, M. A. and Salehpour, S. (2014), Applying the Principles of Green Chemistry to Polymer Production Technology. Macromolecular Reaction Engineering, 8: 7–28. doi: 10.1002/mren.201300103 (無料公開中)
- 材料科学ニュースサイトMaterials Viewsの紹介記事: The 12 principles for green polymer production processes (February 4, 2014, Materials Views)
著者であるオタワ大学のMarc A. Dubé教授らは、多数の文献に基づき、現在の高分子製造技術が12原則の各項目にどの程度適合しているか多角的に検討します。その上で、これまでの技術革新によって大部分達成されたと考えられる項目と、依然として改善の余地が大きい項目を整理し、12原則の達成度を高めるために今後の技術が向かうべき方向性を提示しています。環境に配慮し持続可能な高分子工業をめざす研究者・技術者には大いに参考になりそうな論文です。