MITのStephen L. Buchwald教授らは、中国科学院上海有機化学研究所のQilong Shenらが2013年に開発したトリフルオロメチルチオール化のための超原子価ヨウ素試薬の構造再評価を行った結果、これまでの文献で予測されていた構造を訂正しました。
Shen試薬はベンジオドキソール構造を有すると予測されていましたが、Buchwald教授らは、東京大・藤田誠教授らが発表した「結晶スポンジ法」を含む複数の解析手法の組み合わせにより、Shen試薬がベンジオドキソール構造を持たないチオペルオキシ化合物であることを明らかにしました。この結果はAngewandte Chemie International Edition (ACIE) で報告され、同誌の注目論文VIP (Very Important Paper) に選ばれました。
- 論文 ⇒ Vinogradova, E. V., Müller, P. and Buchwald, S. L. (2014), Structural Reevaluation of the Electrophilic Hypervalent Iodine Reagent for Trifluoromethylthiolation Supported by the Crystalline Sponge Method for X-ray Analysis. Angew. Chem. Int. Ed.. doi: 10.1002/anie.201310897 (本文を読むにはアクセス権が必要です)
■ ACIEでは、二人の査読者が特に重要性を認めた論文をVIP (Very Important Paper)に選んでいます。
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