野副博士のサイン帳とは?
台北帝国大学教授、後に東北大学理学部教授として、ヒノキチオールの発見をはじめトロポノイド化学の発展に偉大な足跡を残した有機化学者・野副鉄男博士(1902-1996年)は、1953年の欧米旅行から約40年間にわたって、交流のあった世界各国の化学者から数千にのぼるサインを集めました。
全9冊・約1200頁にもなるサイン帳は、博士の幅広い交友関係を反映して、E. J. Corey博士、野依良治・理化学研究所理事長ら少なくとも32人のノーベル賞受賞者のサインを含む、貴重な歴史的資料となっています。通常のサインに加えて、博士へのメッセージや、中には書き手が関心を持っていたと思われる化合物の構造式や反応も書き込まれています。
この野副博士のサイン帳を、日本化学会の英文誌The Chemical Record(Wiley-VCHとの共同出版)に15回に分けて復刻収録するとともに、ウェブ上の特設ページで公開する作業が進行中です。2014年3月現在、第9部まで、744ページが公開されています。
誰のサインか分かりますか?数千に及ぶサインの多くは、誰によって書かれたものか特定されていませんが、日本人化学者や、日本に縁の深い海外の化学者によるサインが少なからず含まれているようです。ご覧いただいて、ご自分の恩師・知人など書き手に心当たりのあるサインがあれば、ぜひ特設サイトからオンラインで書き込んで下さい。
期間限定・ご協力いただいた方にプレゼント
2014年3月27日~4月15日までの間にこれまで判明していなかった書き手を特定していただいた方の中から、抽選で3名様にWileyの化学書をプレゼントします。(最近の好評書20点の中から、お好きな本をお選びいただきます) ※ 当選者にコンタクトできるよう、書き込む際にメールアドレスをご記入下さい。
サインの書き手探しに興味のある方や、まずは一度サイン帳を見てみようという方は、サイン帳復刻企画の特設ページ http://www.tcr.wiley-vch.de/nozoe/ から、下図の要領で閲覧・書き込みいただけます。(本日27日から開催の日本化学会春季年会で、Wiley展示ブースでもご案内しています。)
偉大な日本人化学者によるこの貴重な史料の価値をさらに高めるため、ご協力のほど宜しくお願いいたします。