電気伝導性などすぐれた性質を持つことから、シリコンに代わる電子材料として注目される炭素材料グラフェンですが、炭素原子1個分の厚みしかない2次元シートのため、電子デバイスへの応用用途が限られています。一方、これまでに開発された3次元構造の炭素材料は、結晶構造に乏しい不連続体のため電気が流れにくく、電子材料に適していませんでした。
東北大学原子分子材料科学高等研究機構(AIMR)の伊藤 良一助教、陳 明偉教授らのグループは、ナノ多孔質ニッケルの鋳型の上で化学気相蒸着法 (CVD) によってグラフェンを成長させることで、厚みのある3次元構造を持つ新規材料「3次元ナノ多孔質グラフェン」の開発に成功しました。この3次元グラフェンは、2次元グラフェンが持つ高い電気伝導性を3次元構造でも保持していることが確かめられ、電子デバイスへの応用可能性を広げることが期待されます。
この成果はAngewandte Chemie International Edition (ACIE) で報告され、同誌の注目論文Hot Paperに選ばれました。
- 論文 ⇒ Ito, Y., Tanabe, Y., Qiu, H.-J., Sugawara, K., Heguri, S., Tu, N. H., Huynh, K. K., Fujita, T., Takahashi, T., Tanigaki, K. and Chen, M. (2014), High-Quality Three-Dimensional Nanoporous Graphene. Angew. Chem. Int. Ed.. doi: 10.1002/anie.201402662 (本文を読むにはアクセス権が必要です)
 - 発表資料 ⇒ 高い電気伝導性を持った3次元グラフェンの開発に成功 (2014年4月7日)
 
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