ウェブ連載記事「良い論文を書くコツ」が大好評を得たAsian Journal of Organic Chemistry (Asian JOC)のエディター Richard Threlfall氏(右下写真)が、新連載 “Tips for Your Poster” (ポスター発表・成功のコツ)をスタートしました。連載の第1回「発表要旨(conference abstract)の書き方」を化学ニュースサイトChemistry Viewsで読むことができます。
Threlfall氏は自ら化学の博士号を持ち、現在はエディターとして各国の学会で発表を聴講する機会が多いため、ポスター発表についても一家言を持っているようです。そんな彼が考えるすぐれた発表要旨とはどのようなものでしょうか?
- Tips for Your Poster: Writing a Conference Abstract (1) (June 03, 2014, Chemistry Views)
発表要旨は、自分の研究を多くの人に知ってもらうための手段となりますが、他の何百もの発表に埋もれることなく、選考委員や学会参加者の関心を勝ち取るのは容易ではありません。そのために要旨は、冗長にならず簡潔に発表内容を伝えることが重要です。また多様な分野から研究者が参加するような学会では、自分の研究の背景について一言説明を加えるのも有効でしょう。一方、図表のようなビジュアルな要素を加えるのは、読み手の目を引くのに役立ちます。自分の顔写真を入れて参加者に覚えてもらうのもいいかもしれません。
雑誌論文のAbstractを書くときは、曖昧さを極力排除するのが基本ですが、Threlfall氏によると、発表要旨の場合は少しばかり曖昧さを残すことによって、好奇心を刺激して発表を聞いてみたいと思わせるのも一つのテクニックです。例えば、要旨を書く時点ではまだ実験が進行中で、実際の発表までに結果が得られるのが確実な場合は、 “The latest results on ~ will also be presented” (~についての最新の結果も発表の予定) のような一文を加えておくと、そのトピックに関心のある参加者は「これは聞き逃せない」と思うでしょう。
さらに詳しい内容は、上の原記事をご参照下さい。 この連載は今後も毎回テーマを変えて続きますので、お楽しみに!