この半世紀を通じて、日本の科学者は分子生物学の研究において常に重要な役割を果たしてきました。そして日本の研究者による分子・細胞・発達生物学および生物医学研究の論文は、過去30年間にわたって EMBO Press のジャーナル で頻繁に掲載されてきました。EMBO Pressは、これら4誌が、日本の最高水準の研究の発表の場として今後とも資することを願っています。
科学出版は可視的、公正かつ倫理的でなければならないというのが、EMBO Press の設立以来のポリシーです。例えば、EMBO Pressでは「スクーピング」(他の研究グループによる出し抜き)を理由に論文をリジェクトしません。つまり、論文の査読中および改訂中に他誌で類似の論文が発表されても、採否の最終決定が変わることはありません。さらに、採否の決定前に査読者間でお互いの査読レポートに対してコメントし合うよう要請し、バランスのとれた査読を保証するとともに、画像を確認する担当者や統計学のアドバイザーが、問題のあるデータや誤りが論文に掲載されないようサポートを行っています。(詳しくは http://emboj.embopress.org/content/33/12/1285 および http://www.nature.com/news/research-integrity-cell-induced-stress-1.15507 を参照)
「EMBO のエディターは、論文の質と読みやすさが向上するよう投稿論文を丁寧に扱います。しかも彼らは公平で迅速です」 – 慶応大学医学部教授 塩見晴彦(EMBO reports 編集委員) |
論文が投稿されたとき、EMBO 各誌のエディターは、原稿の書式や言語能力など表面的なことではなく、そこに書かれている研究に注目します。エディターは、研究者が論文をどのジャーナルに投稿する予定であるかに関わらず、研究内容についてインフォーマルに話し合うことを歓迎します。ぜひメールや学会の場で、EMBOのエディター に気軽にコンタクトして下さい。さらに、建設的なアドバイスを与えたいという意欲によって選ばれた専門家たちがアドバイザーとして指名され、投稿論文の一部に対して詳しい分析を行います。彼らのレポートおよび編集コメントはすべて、受理された論文とともに出版されます。EMBO Press における編集処理は迅速かつ効果的です。ほとんどの論文は、実験内容に関わるリビジョンを約3ヶ月かけて1ラウンドだけ行った後に出版され、またリビジョンを求められた論文のほとんど全てが最終的に出版されています。
EMBO Press は、優れた研究データに基づく魅力的で読みやすい論文を出版し、他の科学者たちが分野を問わずその研究成果を発見し、読み、評価し、再活用するのを支援することをめざしています。
EMBO Press で出版された日本発のワールドクラスの論文をご覧になりたい場合は http://embopress.org/japan を、またご自分の論文を EMBO Press のジャーナルに投稿したい場合は http://embopress.org/about-journals にアクセスして下さい。
* EMBO Press は、EMBO(欧州分子生物学機構)が出版するジャーナル EMBO Journal、EMBO Reports、Molecular Systems Biology および EMBO Molecular Medicine のための独立した出版プラットフォームです。