神戸大学大学院理学研究科・持田 智行教授の研究室は、溶媒に浸すと色が変化して、分析装置を使わなくても溶媒の種類を識別できるナフィオン膜の合成法を開発しました。この成果を報告した論文は Chemistry - A European Journal (Chem. Eur. J.) に掲載され、同誌の注目論文 Hot Paper に選ばれるとともに、化学ニュースサイト Chemistry Viewsで紹介されました。
持田教授らは、ニッケル錯体を導入したフッ素系高分子ナフィオンの膜を溶媒に浸すと、溶媒分子のドナー数に応じて変色し、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノールなどの溶媒を肉眼で識別できることを確認しました。産業的な有用性の高い有機溶媒の検知・識別に向けての新しいアプローチとして、今後の研究の進展が期待されます。
- 論文 ⇒ Hosokawa, H., Funasako, Y. and Mochida, T. (2014), Colorimetric Solvent Indicators Based on Nafion Membranes Incorporating Nickel(II)-Chelate Complexes. Chem. Eur. J.. doi: 10.1002/chem.201403996 (本文を読むにはアクセス権が必要です)
- Chemistry Viewsの紹介記事 Telling Solvents Apart the Easy Way (October 27, 2014, Chemistry Views)
■ Chem. Eur. J.では、エディターが特に重要性を認めた論文を Hot Paperに選んでいます。
⇒ 最近 hot Paper に選ばれた論文