名城大学の赤崎勇教授、名古屋大学の天野浩教授、カリフォルニア大学の中村修二教授の3氏による2014年ノーベル物理学賞受賞が日本全国を祝賀ムードに包んだのは、私たちの記憶に新しいところです。受賞理由となった青色発光ダイオード(LED)の実現にあたり、その材料として鍵を握ったのが窒化ガリウム (GaN) です。3氏によるGaN研究の歴史とその意義を解説する記事が、Angewandte Chemie International Edition (ACIE) に掲載されました。
青色LED開発の初期、当初有望視されたGaNを材料とするアプローチは、結晶薄膜作製の困難さのため行き詰まりを迎えました。多くの研究者がセレン化亜鉛(ZnSe)など他の材料に目を向ける中、赤崎氏らが長年にわたり忍耐強くGaNに取り組み続けた結果、ついに成功に至ったことは今回の受賞で改めて知られるようになりました。カリフォルニア大学サンタバーバラ校のJames S. Speck教授らによるこの記事(Highlight)は、3氏が開発の過程で直面した数々の課題と、それらを克服したブレイクスルーを分かりやすくまとめています。
- 記事を読む ⇒ Von Dollen, P., Pimputkar, S. and Speck, J. S. (2014), Let There Be Light—With Gallium Nitride: The 2014 Nobel Prize in Physics. Angew. Chem. Int. Ed.. doi: 10.1002/anie.201410693 (本文を読むにはアクセス権が必要です)