Angewandte Chemie International Editionから「BASF創立150周年」特集号 / ジャン=マリー・レーン教授ら世界的化学者・各分野の第一人者が総説・エッセイを寄稿

Angewandte Chemie International Editionドイツに本社をもつ世界最大の化学メーカーBASF社は、1865年の創立から今年で150周年を迎えます。これを記念して、Angewandte Chemie International Edition (ACIE) はこのほど 150 Years of BASF と題した特集号を発行しました。(Volume 54, Issue 11: March 9, 2015) 世界的に著名な化学者からの寄稿を集め、化学に携わる人なら見逃せない充実した内容となっています。

 特集号の内容を読む 

  • Table of Contents (目次)
  • BASF社の研究担当執行役員Andreas Kreimeyer博士による巻頭言 Kreimeyer, A. (2015), 150 Years of BASF. Angew. Chem. Int. Ed., 54: 3156–3158. doi: 10.1002/anie.201501308icon_free(無料公開)

BASF社は創立150周年を記念して、本社のある独ルートヴィッヒスハーフェンとシカゴ・上海の計3か所で「エネルギー」「食」「都市生活」を主題とする大規模な化学シンポジウムの開催を予定しています。今回の特集号では、それらのシンポジウムの講師となる化学者の一部から総説・エッセイの寄稿を受け、人口増加・エネルギー需要増といった地球規模の問題に対して化学が貢献できる可能性や、近年の化学研究の中で特に注目される動向を論じる内容となっています。

収録された総説・エッセイの一部を下に挙げましたが、世界的な化学者による化学論や、ホットな研究領域の第一人者による解説がずらりと並び、まさに壮観です。ほかにも重要な寄稿がそろっていますので、ぜひ目次からご覧下さい。(本文を読むにはアクセス権が必要です)

ハーバー・ボッシュ法によるアンモニア合成、磁気テープの開発などに代表されるBASFの研究開発の歴史と、「エネルギー」「食」「都市生活」の3分野への取り組みを解説 “We Create Chemistry for a Sustainable Future”: Chemistry Creates Sustainable Solutions for a Growing World Population
George Whitesides教授が考える「これからの化学」当ブログの過去記事 Reinventing Chemistry
東京大・岩田 忠久教授「環境にやさしいバイオプラスチック」当ブログの過去記事 Biodegradable and Bio-Based Polymers: Future Prospects of Eco-Friendly Plastics
Tobias Ritter教授「合成終盤におけるフッ素導入」 Late-Stage Fluorination: Fancy Novelty or Useful Tool?
Peidong Yang教授「人工光合成」 Artificial Photosynthesis for Sustainable Fuel and Chemical Production
Jean-Marie Lehn教授(1987年ノーベル化学賞受賞)が論じる「Adaptive Chemistryとは」 Perspectives in Chemistry—Aspects of Adaptive Chemistry and Materials
Frances H. Arnold教授「進化工学の手法による人工酵素の開発」 Expanding the Enzyme Universe: Accessing Non-Natural Reactions by Mechanism-Guided Directed Evolution
Omar M. Yaghi教授「Metal–Organic Frameworks (MOF)」 “Heterogeneity within Order” in Metal–Organic Frameworks
Steven V. Ley教授「有機合成を変える新しいテクノロジー」当ブログの過去記事 Organic Synthesis: March of the Machines
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