Wileyジャーナルのセルフ・アーカイビングポリシー(自分の論文のネット公開についての規定)のまとめページを新設 / ジャーナルごとに異なるポリシーが簡単にチェック可能に

writingWileyの各ジャーナルの「セルフ・アーカイビング」ポリシーを簡単にチェックできるページが、Wiley Online Libraryに新設されました。セルフ・アーカイビングとは、自分が書いた論文を出版社のサイト以外でネット公開することで、研究室ホームページや大学のサーバー(機関リポジトリ)、またResearchGateのようなネットサービスなどでの公開が該当します。

「自分の論文をResearchGateにアップロードしていいか」「大学の機関リポジトリで公開するため論文を提出するよう言われたが、応じていいか」といった、セルフ・アーカイビングについてのお問い合わせが増えてきたため、当ブログでは昨年末に「論文著者が権利上やっていいこと・ダメなこと」という記事で、原則をご説明しました。ただ少々厄介なのは、一部のジャーナルが標準的なポリシーと異なる例外的な方針を採っているため、正確なところは個別のジャーナルのCopyright Transfer Agreementを確認していただく必要があったことです。長文の英語からなるCopyright Transfer Agreementから該当箇所を見つけ出すのは決して容易ではありません。

上記のページでは、Journal Policiesのドロップダウンメニューからジャーナルの誌名を選ぶだけで、ポリシーの概要をすばやくチェックできます。例えば、メニューからAdvanced Materialsを選ぶと

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“Non-standard Wiley policy”として、Submitted Version(投稿した最初の原稿)とAccepted Version(査読・リビジョンを経てアクセプトされた最終版の著者原稿)を公開できる時期が表示されます。

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これのどこがNon-standardなのかというと、標準的なポリシーではSubmitted Versionは投稿直後から所定のサイトで公開できるとされているのに対し、Advanced Materials誌ではfinal article(最終版)の出版後となっている点です。一方、Accepted Versionを公開できる時期は正式出版後、12か月の猶予期間(embargo)を経たのちとされていて、これは理工医学分野でのWileyの標準的なポリシー通りとなっています。

またドロップダウンメニューの上にある、末尾に(+)のついた項目をクリックすると、Submitted Version / Accepted Versionそれぞれの正確な定義やそれについての標準的なポリシーなど、詳しい説明をご覧いただけます。

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このように便利なページですので、当ブログの記事「論文著者が権利上やっていいこと・ダメなこと」と併せてぜひご活用下さい。

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