従って、自分の論文を少しでも多くの読者に届けたいなら、どうすればGoogle上で見つかりやすくなるかを知っておくと有利です。自分のコンテンツを検索結果で上位に出す手法はSEO(検索エンジン最適化)と呼ばれ、多くの企業がテクニックの改良に凌ぎを削っている領域ですが、そこまで深入りしなくても、タイトルの付け方にちょっと工夫するだけでGoogleからのアクセスを増やせるかもしれません。Wileyの論文著者・査読者向け情報サイト Wiley Author Services が勧めるコツは「重要なキーワードを、タイトルの後半ではなく先頭近くに置く」というものです。それはなぜでしょうか?
例えば “A quantitative genetic approach to assess the evolutionary potential of a coastal marine fish to ocean acidification”という論文は、海洋の酸性化がイワシの一種Atlantic silversideに与える進化的影響を論じたもので、Evolutionary Applications誌に昨年掲載されました。公開から1年で25回ツイートされるなど大きな反響を呼び、論文として成功しているのは間違いありませんが、実はタイトルの付け方としては改善の余地があります。その理由は、この論文をGoogleで検索すると分かります。
Googleの検索結果では、英語の場合タイトルが55文字ほどで切られてしまうため、このように内容の肝心の部分がうまく伝わりません。表示されない部分が検索から漏れるわけではありませんし、またタイトルの下の説明まで読めばフルタイトルが書いてありますが、せっかちな読者を何人か逃してしまっては損です。論文の内容を伝える重要なキーワードは、なるべく最初の55文字に収まるようにタイトルを付けましょう。
一方、Google Scholarではほとんどの場合フルタイトルが表示されるので、この点は問題になりません。
論文タイトルの付け方についてのその他のコツは、Wiley Author Servicesの元記事で読むことができますので、併せてご参照下さい。