<論文紹介> スマホに地震計の機能を持たせるAndroidアプリ MyShake / 6か月間で20万ダウンロード、世界各国の地震波データを観測システムに送信

米カリフォルニア大学のバークレー地震研究所 (UC Berkeley Seismological Laboratory) は、スマートフォンの加速度センサーで検知した地震波のデータを観測システムに送信するAndroidアプリ MyShake を開発しました。この MyShake は、2016年2月にGoogle Playストアで公開された後 6か月間で20万回近くダウンロードされ、その間に日本を含む世界各地で発生した237回の地震を観測しています。その詳細がAmerican Geophysical Union(AGU, アメリカ地球物理学連合)の公式誌 Geophysical Research Letters で報告されました。

MyShakeをインストールしたスマートフォンでは、加速度センサーが揺れを検知すると、MyShakeが揺れの波形を分析して、人の持ち歩きなどによる振動と地震波とを区別します。地震波と確認されれば、そのデータは位置情報とともに地震観測システムに送信されます。平均的な日であれば、8千~1万台のスマートフォンからデータが送られるそうです。

MyShakeは、地震が稀な地域など、地震計の設置が十分でない場所で発生した地震のデータ収集に、特に力を発揮すると期待されます。近年、「科学への市民参加」をめざすさまざまな活動が注目されていますが、MyShakeもその一翼を担っているといえそうです。MyShakeは
Google Playストアからダウンロードして無料で利用できますので、興味のある方はぜひお試し下さい。(Android版のみ)

現時点でMyShakeに地震警報の機能はありませんが、地震発生時最初に到達するP波を検知して警報を発することは、原理的に可能です。開発者らは、アプリの価値を高めてさらに普及を図るため、地震警報機能の追加に向けて準備を進めているとのことです。

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