高コントラストSEMイメージング (Thermo Fisher Scientific)

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この画像は、シリコン基板上にあるGaAsナノワイヤーの走査型電子顕微鏡写真を示しています。この自己触媒型GaAsワイヤーはガリウム液滴から成長したもので、ワイヤーの先端にその液滴を確認できます。

この試料およびその他の多くの試料に対して、SEMは、ナノ材料のトポグラフィーを解明する確実な技術で、さまざまな成分間の鮮明なコントラストを示すことができます。ただし、対象の材料が絶縁体である場合や、電子ビームに敏感な場合、組成が似ている場合は、材料コントラストの取得が厄介になることがあります。このような事例で、TVレートスキャンを使用するとき、低ノイズでワーキングディスタンスが短いとき、傾斜角を用いるときなどは、鮮明なコントラストをすばやく得ることがなかなかできません。

材料コントラストイメージングに関するこうした問題をまとめて解決するために、先頃 Thermo Fisher Scientific から、独自のインレンズ反射電子検出器(T1)を備えたまったく新しいApreo SEMが発売されました。ApreoのT1検出器は、ビームがオンになるとすぐに反射電子信号を捉えます。この検出器はカラムの先端に配置されているため、ナビゲーションからごく細部の撮像まで常に強烈な材料コントラストを得ることができます。わずか数pAのビーム電流にも感応するため、それ以上のビーム電流では破損する可能性のある繊細な試料の撮像に最適です。

Apreoに最新の静電界-磁界複合型ファイナルレンズを使えば、材料のコントラストが一層際立ちます。この画像では、平均原子量が極めて近似の2つの材料(GaとGaAs)間のコントラストを強めるために複合型レンズフィルタ機能を使用しています。また複合型レンズフィルタは帯電シグナルが除外されるため、極低ビームエネルギーと低電流性能でも不可能な絶縁体の観察に帯電することのない撮像が可能になります。

顕微鏡の汎用性、効率性、操作性を高める多様な機能を備えたApreoの優れた検出機能により、研究者は科学的発見の進歩に欠かせないコントラストを得ることができます。

謝辞:
試料提供: マドリードマイクロエレクトロニクス研究所(CNM-CSIC)「MBE: オプトエレクトロニクスの量子ナノ構造」研究班のDavid Fuster、Andrés Raya、Álvaro San Paulo、María Ujue Gonzálezの各氏

(情報提供: Thermo Fisher Scientific

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