2017年のノーベル化学賞は、「クライオ電子顕微鏡」の開発を理由として、スイスのジャック・デュボシェ、米国のヨアヒム・フランク、英国のリチャード・ヘンダーソンの3氏に授与されることが決まりました。3氏のうちフランク氏とヘンダーソン氏は、今年2017年に、Wiley Prize in Biomedical Sciences (ワイリー生物医学賞)の受賞者にもなっています。(ファン・ヒール氏を含む3人での共同受賞)
ワイリー生物医学賞は、出版社John Wiley & Sons社が運営し科学振興を目的とする財団 The Wiley Foundation (ワイリー財団)が2002年に創設した科学賞で、生物医学の研究において新たな領域を切り開いたり、特定の領域の概念に進歩をもたらすなど顕著な貢献を果たした研究者に毎年贈られています。これまでの受賞者からは、ノーベル生理学・医学賞受賞者を計9人輩出しており、その中には2016年ノーベル賞受賞者の東京工業大学 大隅 良典特任教授・栄誉教授、今年2017年のジェフリー・C・ホール、マイケル・ロスバッシュ、マイケル・W・ヤングの3氏らが含まれます。一方、ワイリー生物医学賞の受賞者がノーベル化学賞に輝いたのは、今回の2氏が初めてです。これで、ワイリー生物医学賞の受賞経験者36人のうち、計11人にノーベル賞が授与されたことになります。