この画像は、バルク金属ガラス基質複合材料の2つの隣接する大きな結晶性デンドライトを3Dで可視化したものです。この再構成データは、Thermo Fisher Scientific初のプラズマベースのDualBeamであるHeliosTM PFIB DualBeam (FIB/SEM)を使用した大容量連続切片トモグラフィーという手法で取得しています。切片ブロックは約90x80x70 um3です。可視化にはThermo ScientificTM Avizo®ソフトウェアを使用しています。
Zr58.5Ti14.3Nb5.2Cu6.1Ni4.9Be11.0 という組成のこの新材料はバルク金属ガラス基質で構成され、その内部で結晶性デンドライトが成長しています。現在、強度および延性の高い材料として研究対象になっています。判明しているミクロ組織は、中心の核形成点から成長するデンドライトの複雑な配列で、2Dの切片からはなかなか判断することができません。連続切片トモグラフィーを用いると、ガラス基質内のデンドライトの3D配置をすぐに把握することができ、この新材料のミクロ組織の理解に向けた基盤が築かれます。
集束イオンビームと走査型電子顕微鏡を組み合わせることで(FIB/SEM)、表面および表面下の微細構造情報を3Dで取得することができます。他方、粒子の大きい材料や金属を撮像して分析する必要性や、より多くのデータを処理して統計的精度を高める必要性も高まっています。ごく最近まで、利用可能な技術では高分解能で材料のボリュームや深度を分析する能力に限界があり、そのため構造特性、結晶学的特性、科学的特性に対する洞察が妨げられていました。今は違います。Xe Plasma FIB/SEM技術の登場により、連続切片トモグラフィーと統計的適切性の高いデータ分析が結合され、表面下深部の関心領域を調べることが可能になっています。
Helios PFIB DualBeamの特長は、プラズマ集束イオンビーム、電界放出SEM (FESEM)技術、そしてこの2つを併用するThermo Fisherの最先端技術です。Thermo Fisher初のプラズマベースのDualBeamでは、従来のGa FIBミリングと比較して材料除去速度が大幅に向上する一方で、優れた表面画質や高コントラストの超高分解能イメージング性能は維持されています。この装置は、高スループットの試料処理、大容量の3D材料特性評価、2Dと3Dの両方での超高分解能イメージングを目的に設計されています。大規模な断面撮像、大容量の3Dデータ収集、大規模なTEM試料作製、大規模なパターニングにおいて、Helios Plasma FIB DualBeamは最短時間で最高品質のデータを提示します。Helios PFIB DualBeamは、超高分解能イメージングや大規模なミリング機能のほか、3Dトモグラフィー、3D EBSD、3D EDX、さらに相関トモグラフィーの実施機能など、他にもさまざま特性評価技術を備えています。
(情報提供: Thermo Fisher Scientific)