次世代バイオ燃料の原料として、藻類への期待が高まっています。藻類を大量かつ効率的に培養するための装置として、パイプ型のフォトバイオリアクターと呼ばれるものがありますが、その内部の藻類にいかにして万遍なく光を届けるかが課題のひとつになっています。フォトバイオリアクターの内部に設置しても培養液の流れを妨げず、しかも耐久性が高い光源として、多孔質の「透明ガラススポンジ(transparent glass sponges)」に関心が持たれてきましたが、その商業的な生産法はまだ確立されていません。
ドイツ・カールスルーエ工科大学(Karlsruhe Institute of Technology)のDr. Ethel C. Bucharskyの研究チームは、このほどAdvanced Engineering Materialsに掲載した論文で、二酸化ケイ素の粉末を原料に、ポリウレタンのスポンジを基にした高分子レプリカ法を用いて、透明ガラススポンジの製造に成功したことを発表しました。透明ガラススポンジの商業的生産につながる大きな一歩として注目されます。
Bucharsky, E. C., Schell, K. G., Habisreuther, P., Oberacker, R., Zarzalis, N. and Hoffmann, M. J. (2011), Preparation of Optically Transparent Open-Celled Foams and its Morphological Characterization Employing Volume Image Analysis. Advanced Engineering Materials, 13: 1060–1065. doi: 10.1002/adem.201100024
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⇒ The Making of “Transparent Glass Sponges”