科学論文に入れる図を効果的に見せるための5つのコツを、Advanced Materials誌の記事A Brief Guide to Designing Effective Figures for the Scientific Paperからご紹介します。
- 図は自分のためではない、読者のため
雑誌の読者層を意識して図を作る。広範な読者が対象か、狭い専門分野に限定されているか。読者の背景的知識に合わせて図を作る。 - 最も重要度の高い情報に焦点を当てる
数に限りのある図を有効に使う。論文のストーリーの流れに合っているか。それぞれの図が伝えるメッセージは何か。 - 視覚的な構造を明確にする
読者は図を「左上から右下へ」目で追う。図の中の多数の要素を整理するには、グリッド(方眼線)に沿わせるのが有効。 - コントラストをつけよ、しかしシンプルに
重要な部分を目立たせるには、形・大きさ・色などでコントラストをつけるとよい。普通はどれかひとつの要素でコントラストをつければ十分で、やりすぎるとうるさくなる。図はカラーよりも白黒のほうが有効なことも多い。 - 図の中の文字を見やすく
フォントはsans-serifがおすすめで、サイズが小さいときはHelveticaやArialのほうがよいこともある。文字と背景のコントラストに注意し、背景に埋もれないようにする。
★ 元の記事は無料公開されています。さらに詳しく、また図の悪い例と改善例なども具体的に示されていますので、ぜひご覧下さい。
⇒ Rolandi, M., Cheng, K. and Pérez-Kriz, S. (2011), A Brief Guide to Designing Effective Figures for the Scientific Paper. Advanced Materials, 23: 4343–4346. doi: 10.1002/adma.201102518
化学ニュースサイトChemistry Viewsでも、この記事の要旨が紹介されています。
Chemistry Views: Design Effective Figures for Scientific Publications