<論文紹介>負の屈折率を持つ「メタマテリアル」研究に新展開 - 米オレゴン州立大学の研究チームが報告

入射光に対して負の屈折を引き起こす特殊な人工物質は「メタマテリアル」として近年活発に研究されてきましたが、これまで研究対象となってきた結晶材料は非常に高価かつ生産が困難で、実用化に向けての大きな障害となってきました。

このほど米オレゴン州立大学の E. William Cowell III らの研究チームは、結晶材料ではなくアモルファス金属の薄膜を貼り合わせたラミネート材料が負の屈折を起こしうることを発見し、physica status solidi a 誌で論文として報告しました。そのような材料は、液晶画面の製造と同様の技術を用いて安価かつ容易に生産することが可能とのことです。メタマテリアルは光学顕微鏡の限界を超える「スーパーレンズ」の開発や光通信への応用が期待されており、今回の発見はその実現に向けて新たな展開を可能にするものとして注目されます。

■ 論文はこちら(無料公開中)
 ⇒ Cowell, E. W., Knutson, C. C., Kuhta, N. A., Stickle, W., Keszler, D. A. and Wager, J. F. (2012), Engineering anisotropic dielectric response through amorphous laminate structures. Phys. Status Solidi A. doi: 10.1002/pssa.201127616

□ ニュースサイトMaterials Viewsの解説記事
 ⇒ Metamaterial discovery opens avenue to new products and industries using negative refraction

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