<論文紹介> ストリキニーネ全合成の歴史を辿るレビュー “Is There No End to the Total Syntheses of Strychnine?”(Angew. Chem. Int. Ed.)

Angewandte Chemie International Editionに、ストリキニーネの全合成戦略の歴史を振り返るレビュー論文が掲載されました。現在、Early Viewとしてオンラインで先行公開されています。(本文PDFを読むにはアクセス権が必要です)

Cannon, J. S. and Overman, L. E. (2012), Is There No End to the Total Syntheses of Strychnine? Lessons Learned in Strategy and Tactics in Total Synthesis. Angew. Chem. Int. Ed.. doi: 10.1002/anie.201107385

アガサ・クリスティらのミステリーや、ヒッチコックの映画「サイコ」で使われ一般にも広く知られる猛毒ストリキニーネは、全合成のターゲットとして長年にわたり多くの化学者を引きつけてきました。金字塔と評されるWoodwardによる初の全合成(1954年)では収率0.0002%、29段階を要していましたが、その後のさまざまなアプローチを通じて、収率はRawalら(1994年)による10%、また段階数ではVanderwalら(2011年)による6段階にまで改善されました。

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